これまでの経緯

ヒット商品のデザインが成功体験に

私はこれまで25年程デザインの仕事をしてきました。昔から趣味でクレイアニメを作ったりして、モノづくりやデザインがとても好きでした。最初にデザインの仕事に関わったのは、ゲームや映画のCG制作でした。当時ヒットしていたゲームのCGも担当していたので、実は皆さんの目にも触れているかもしれません―。

そしてCG制作の仕事を数年間した後、ちょうど2000年頃ですかね。当時はインターネット黎明期で、ウェブ業界が少しづつ熱を帯び始めている時期でした。私もウェブ制作を独学で始めつつ、DTPなどにも挑戦しデザイナーとしてのキャリアを広げていくことを考えていました。

そして一つのターニングポイントを迎えます。当時、時計メーカーにデザイナーとして転職し、掛け時計のデザインを担当することになったんです。売り場や、商品、ターゲット顧客など、隅々まで徹底的に調査していきました。

顧客はどんな時計を求めているんだろう―。
どんな時計だったら売り場やECで目にとまるんだろう―。

そうやって考えデザインした掛け時計が、販売後すぐにヒットしたんです！イオンさんやイトーヨーカドーさんでも取り扱って頂き、ニッセンでも紹介いただきました。またヒットしただけでなく、ロングセラー商品として定着化することが出来たんです。

この経験は自分にとって大きな成功体験になりました。顧客や売り場、商品に向き合うことで結果に繋がっていく―。自分は何をどうデザインすべきなのかが鮮明に見えてきたタイミングだと思います。そして本格的にブランディング、デザインでお客さまのお役に立ちたいと思い2017年に独立し現在に至ります。

高橋さまの事例《ショウエイ化学様》

※レポートから一部の事例をご紹介します

伝統とモダンを掛け合わせた商品ブランディング

ECサイト運営や、チラシ制作などでお付き合いのあったショウエイ化学様より新商品のブランディングについてご相談いただきました。福井の職人さんが越前和紙を使い、1本1本手作りをしている薔薇の花をモチーフにしたアロマディフューザーで、香料を含んだ色水を和紙の花が吸い上げ、白い和紙の花が色づいていくのを楽しみながら、香りもディフューザーとして楽しめるユニークな製品です。

※和紙が彩る、花香るディフューザー「花笑み」

パッケージデザインやディフューザーの容器、アロマスティックの形状や色、ご予算も含めトータルでのご支援でした。全体のコンセプトとして、越前和紙の手仕事とアロマの魅力が引き立つようデザインしています。具体的には台紙やガラス容器の形、カラーリングを工夫し、和の伝統美と現代的なインテリアにもマッチするスタイリッシュなデザインを採用しています。

お客様の在庫であったクリアボックスを活用し、中の色が映えるようにデザインをし、上品な和をイメージさせるパッケージデザインに施しました。また、パッケージの機能的には遠方への郵送も配慮し、台紙の形状でガラス瓶に負担がかからないようにしています。

※上品な和をイメージさせる商品パッケージ

想像以上の反響から急遽製造数を拡大

商品ブランディング実施後、販売前から業界関係者内でクチコミが生まれるなど想像以上の効果が出ていました。そういった背景もあり、初期は500個程生産し反応を見る流れを想定していましたが、2,000個程の生産に上方修正となりました。

越前和紙の花を制作している工房から共同販売の相談をいただいたり、予定していた通販サイト以外でも取り扱いが決まったり、アメリカの展示会への出展が決まるなど、非常に良いスタートを切ることが出来たんです。今では、ショウエイ化学様の主力商品として扱われるようになりました。

ターゲットに刺さるデザインがヒットの鍵に

印象に残っているエピソードとしては、商品のデザイン制作の際、デザイン案を5つご提案した時のことです。ターゲット層からのフィードバックをいただいたところ、どの案も評価が高く票が割れる結果となりました。その中で、最も人気を集めた和柄デザインが採用されています。

ブランディングの観点からデザインを行う事で、ターゲット層に刺さるデザインが出来たのだと思います。この経験はブランディングとデザインを専門に扱う私にとって、大きな自信に繋がりました。

ブランディング学習について

学習と実践を繰り返すことが大切

ブランディングは体系的に学ぶだけでなく、実践を通じて理解できる点が多いと感じています。私の場合、実践が先行していたのでブランド・プランナー講座はこれまでやってきたことの再確認になりました。これからもブランドのらしさを表現する身として、学習と実践を積み上げていきたいと思います。